2013年 3月10日(日)
今から約30年程前、地元有志の若人達により神社境内の掃除活動がはじまった。せっかくの好意で集まった若人達に毎日ゴミ片付ばかりさせていては申し訳がないとの想いから、まずはお囃子会を結成。近隣の若手が集まってお囃子の練習を行っているうちに、祭りへの意志が高まっていった。自分たちの手で祭りを実現させたいと願う人々が、勤め帰りなどに集まっては、毎晩徹夜で神輿造りに明け暮れていった。他で見たり手伝ったりした祭りなどを参考に神輿製作に関する情報を収集し、地元大工などの手を借りながら手作りによる念願の本社神輿が約3年の日々を費やして遂に完成した。
当初神輿の屋根上に乗る鳳凰は、無垢の木を削って作った木製であったが、神社奉賛会のご支援もあり、浅草宮元卯之助から購入した煌びやかに輝く立派な鳳凰が神輿を飾った。
第一回目に神輿が渡御された昭和53年頃の秋季例大祭では、地元5町会のそれぞれの秋祭りと時期が重なり人手が足りなくなってしまったため、以降は他でお祭りのない時期「初午祭」に合わせて春先に渡御されるようになった。
また、ここの神輿渡御の特徴の一つとして、近隣各地から多くの神輿同好会が参加されること。当時開催前の事を思い出すと、地元以外から来る担ぎ手達によるトラブルやいざこざなどを心配していた。各地で本格的な祭りが行われる前の時期だけあって、いち早く神輿を担ぎたいと各地から約500人もの担ぎ手達が集まった。そしてそんな担ぎ手達の行動を見てさらに驚いた。心配とは裏腹にトラブルなどは一切なく、とても礼儀正しく規律のよい人達であり、皆で協力しあって楽しく神輿を担ぐ姿に驚くばかりであった。
30年に渡って続くこの「初午祭」神輿渡御がこれまで順調に行われてきたことも、地元の皆様並びに、同好会の皆様のご協力のお陰と心から感謝いたします。
塚越稲荷神社奉賛会/会長 高橋慶助
塚越稲荷神社「初午祭」本社神輿渡御〈2013.03.10〉PHOTO 25pic
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